マイクロソフトのヤフー買収は独占禁止法に期待

昔からマイクロソフトが嫌いな人は、IT系の技術者には多い。私もその一人なのだが、そのマイクロソフトが米ヤフーに買収オファーをかけている。この買収に関して、的確な指摘をしているブログエントリーがあったので紹介する。

http://satoshi.blogs.com/life/2008/02/microsoftyahoo.html:Title

(このブログの著者Satoshi Nakajima氏は、元Microsoft社員の方)

今回の買収オファーそのものは、特に米国では経営陣は株主利益を最優先に考える必要があり、正当な理由なく拒否した場合は株主代表訴訟の対象となるため、米ヤフーの経営陣が拒否の回答をすることは難しいだろう。そして、もし買収が成功したとして、米ヤフーからアンチマイクロソフトの人材が流失し、企業活力が失われる可能性が高いというのは、私も同感だ。

小飼 弾氏も上記のSatoshi Nakajima氏のエントリーに「禿同」しつつ「http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50995609.html:Title」というエントリーで「Yahooはもっと早く「両手を上げる」べきだったと」と書いている。

個人的な感情が大半だが、私は今回の買収は失敗して欲しい。なぜなら、下記のように考えるから。

  1. 単純に過去の行いから、マイクロソフトが嫌いだ。
  2. マイクロソフトからはイノベーションは生まれない。独占ビジネスを生もうとするだけだ。
  3. マイクロソフトは、OSとブラウザで高い独占を達成している企業であり、ネットの向こう側にまで大きなシェアを持たせたら、一般利用者の不利益に繋がる。

ここで 3. だけはただの感情論ではなく、事実と認定されれば独禁法に引っかかる可能性がある。実際に過去のマイクロソフトの米ヤフーへの買収提案に関連して、独禁法の審査対象となることを示唆した2006年5月8日付けのIT Proの記事もあった。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20060508/237052/:Title

「米Microsoftと米Yahoo!は2005年に協議したことがある」という内容のレポートが,The Wall Street Journal紙の5月3日版に掲載された。協議のテーマは,MicrosoftによるYahoo!買収の可能性についてだ。レポートによると,買収の目的は,オンライン・サービス市場におけるMicrosoftの地位を迅速に改善し,Microsoftにとって目の上のたんこぶである米Googleに対抗するためという。

 この買収劇は,規模の点で間違いなく独占禁止法の審査を受けることになる。


なお、これはあまり関係ないが、マイクロソフトは別件でも、独禁法上の問題を抱えている。
http://www.computerworld.jp/topics/legal/97231.html:Title


マイクロソフトとしては買収提案を公表するからには、独禁法もクリアできるという勝算があるのだろうが、独禁法関連でうだうだしているうちに米ヤフーが奮起して決裂とか、世論に後押しされて独禁法のため買収承認されずという結果を期待したい。

(実際に、マイクロソフト+米ヤフーの規模だと、普通に昔のAT&Tのように独占禁止法で解体されても不思議じゃない企業規模のような気もするのだが、ここらへんはど素人なので、良くわかりません)