準ワーキングプアを抜け出せ!/人事雇用【4】
まず、この人事雇用の連載、じつは末尾にまとめを記載したmkusunok氏とsteam_heart氏のワーキングプアについての議論につられて違うところから書き始めて、若干遅れつつも、やっと追いついた次第だ。
というわけで、前回は書評を書いたワーキングプアについて、私が思うところを書いてみようと思う。まずは、mkusunok氏とsteam_heart氏のトラックバックの応酬の議論の中でも若干ブレがあった、ワーキングプアの「定義」からいきたいと思う。
ワーキングプアの定義
ワーキングプアの定義は微妙だが、働く意思は強いが、良い仕事にありつけない。ありつける仕事は、長時間労働しても生活費にすらこと欠き、貯金や将来設計は全く無理というニュアンスだと思う。
微妙な位置づけで、ロスジェネ世代のフリーターを中心とした非正規雇用(派遣社員・契約社員・バイトやパート)が増加しているという問題があるが、程度の問題で、底辺から順番に行くと、以下のような感じに分類できると思う。
- ホームレス
- ネットカフェ難民の日雇い(準ホームレス)
- 日雇い、不定期仕事(ここからnotホームレス)
- バイト、パートしか仕事がない(フリーター/シングルマザーが中心)
- 短期契約・派遣社員の事務職・単純労働者
- スキル有り派遣社員、零細企業・ブラック企業の正社員
- 中小企業の正社員、グレー企業の正社員
だいたいワーキングプアのラインは世帯状況にもよるが4.〜5.で、6.〜7.を準ワーキングプアとここでは定義して考えてみたいと思う。
ワーキングプア、準ワーキングプアの問題点
ワーキングプアの問題点が、必死で働いても生活できない、かろうじて生活できているだとすると、準ワーキングプアの一番の問題点は、結婚できない・子供を作れない。もしくは、「結婚して家庭を作り、子供を育てる希望が持てない」ということではないかと思う。
ワーキングプア、準ワーキングプアいずれにしても、日本社会には昔からあった話だとは思う。ただ、社会問題化しているのは、前回エントリーの書評でも書いたように、これらが増加トレンドにあるということ。また、「運が悪く」社会に出た年代が大不況だったからというだけで、準ワーキングプアになった人が、ロスジェネ世代にあまりにも多いということだと思う。
(なお、私は団塊ジュニア世代で、かつ、思い返すと何度もラッキーがあって、大企業ではないが正社員でマネージャをやっているので、準ワーキングプアからは恨まれる対象。当事者ではないが、身近な世代の話として、ロスジェネ世代のことは、比較的良く知っているつもり。)
ワーキングプア、準ワーキングプアの増加原因
まず、ワーキングプアや準ワーキングプアが増えていることについて、小泉構造改革のせいだと言っている左派の方とかの話を聞くことがあるが、そのロジックを詳しく説明できている例はあまりないと思う。
確かに、タクシー運転手とか一部業界で規制緩和によりワーキングプアが発生した業界もないことはないが、日本全体で見れば本質ではないと思う。また、派遣法改正(1999年)も1つの転機だと思うが、これがなければ失業率がより上がって、もっとワーキングプアは増えていただけではないかと思える。
私は、ワーキングプア、準ワーキングプアが増えた根源は、長く続いた大不況、人口ピラミッドの偏り、あとグローバル化の3つであって、多くの社会現象がこの3つで説明がつくと思っている。
そして、ワーキングプア、準ワーキングプアが増えた最大の原因は、人口ピラミッドの偏りと年功序列型社会だと思う。そもそも大不況の原因も、年功序列の日本企業が、逆ピラミッド型の社員構成になって、あまり生産的な仕事をしないのに高給取りの年配者が多く、低い給与でバリバリ働く若手中堅の比率が下がり、不採算になったことが大きいと思う。
mkusunok氏もhttp://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080504/wp:Titleというエントリーの中でぼそっと「整理解雇四要件ってあまりに罪深い」と発言しているが、私も同感だ。この大不況の前半戦は景気対策オンパレードで、不採算なオールド企業を潰さないような社会運営をしつつ、高給取りの年配者も「整理解雇四要件」の壁でなかなか解雇せず、しかも、長く続いたデフレの影響で昇給を停止しても実質給与は結局増えるといった状態だった。
(せめてインフレになっていれば、若者に有利な面があったのだが、本当に踏んだり蹴ったりの時代が続いたのだ)
実際にリストラされて、苦労して、ワーキングプアに陥った中高年の方も多かったのは知っている。ただ、まだまだ数が足りなかったと思う。なぜなら、より多くの裕福な中高年を救ったがために、莫大な政府債務を作って将来世代へ返済を先送りし、半死半生で生き残った企業は若年者の採用を絞り、さらには彼らを非正規雇用者として搾取するようになったからだ。
国にとっても企業にとっても、切捨てなければいけないのは将来の可能性がある若者じゃなくて、不運にも能力を向上させなかった/もしくは能力がないことが判明した年配者であったはずだ。
なお、高収益企業も、同じように若年者の採用を絞り、非正規雇用者事を活用していたという側面もあったと思う。ただ、彼らが積極的にそれを推進したかというと、安い労働力市況があったので、それを活用する経営をしたという面もあると思う。
Wikipediaの非正規雇用にも下記記載があるが、高収益企業は法整備をしっかりすれば、正規雇用増加の貴重な担い手になると思う。
- ワールドは2006年11月に、子会社のパートなどのうち8割となる約5千人を本社の正社員として採用。
- ユニクロを抱えるファーストリテイリングは、2007年3月5日に「地域限定正社員制度」を導入し、2年間で5千人を非正規雇用から正規雇用に転換すると発表。
(中略)
本来は倒産していたはずだが景気対策のおかげで不況を生き残った企業は、今になって2007年問題とか騒がれている通り、やっと不採算な高給取りの年配者が大量退職しはじめて余裕ができ、若年層が非正規雇用者ばかりになっていることもあり、新卒採用を急回復させている。
この世代格差は、本当に運が悪いとしかいいようがないと思う。
ワーキングプア、準ワーキングプアの増加対策(政策論)
ワーキングプア、準ワーキングプアを減らす方法の1つは単純だと思う。
増加の原因として3つあげた、長期不況、人口ピラミッドの偏り、グローバル化の中で、唯一コントロールできる可能性がある「景気回復」を実現すればいいのだ。ロスジェネ世代というとバブル期にはまだ中学生以下だったのでイメージが沸かない方も多いかもしれないが、バブル期には大型トラック運転手の月給が60〜80万円で成り手がなかったり、ゼネコンも建築関係の職人が確保できずに、凄いカネを積んでいた。
(どうすれば景気回復するかについては、話の流れ上、後述する)
ワーキングプア、準ワーキングプアを減らすためには、もう1つは働きが悪い従業員を、堂々と大幅減俸できる仕組みを作ることだと思う。年間に全社員の5%ぐらいを上限だろうか。当然、労働組合や左派は反対するだろうが、ミニマム給与レベル(家族持ちならば年収500万程度)を設定すれば良いと思う。あと、この仕組みを、全労働力を正規雇用し、完全職務給(同じ仕事なら同一賃金)を導入した会社だけに組合を無視できるような特典として、バーターにすれば良いと思う。
低い評価を受けた人間は、米国社会であれば解雇対象者だが、ここでは温情で減給のみとなっている。ただ、何かが理由で、そうなってしまった場合、一生を棒に振るような仕打ちは、これまた不運だ。だから今は35歳以下が中心となっている転職マーケットを、もっと広い年齢層に広げなければいけない。
この転職マーケットをどうやったら広げられるかというところに、あまり良いアイディアはないのだが、整理解雇四要件の緩和、退職金非課税枠の段階的撤廃、一定以上の中途採用実施会社への法人税軽減とかどうだろうか。
もし転職マーケットを広げることができれば、労働者全般の向上心が衰えることなく、上を目指して能力向上へとより努力する面が出てくると思う。これは別のエントリーで書こうと思っているが、日本の生産性が低い理由の1つには、学歴以外の部分で人材価値を評価するような人材需要が少なく、大学在学中や就職後に、自己の能力を伸ばして人材価値を高めることの動機付けが低いことがあると思う。*1
あと、もう1つは、非正規の低賃金労働者(準ワーキングプア含む)の連年雇用に際しての昇給確約・正規雇用機会の付与、また抱き合わせで会社都合での非正規雇用者の解雇(期間満了等で継続雇用せず)にはペナルティー的な意味の一時金の支給義務を負わせるような法律が必要だろう*2。昇給確約があるので、企業側としては、連年雇用者にはより高度な仕事を任せるバイアスがかかり、スキル教育に力が入り、結果的に正規雇用機会をものにできる人が増えるというのが理想形だ。
他にも最低賃金の増額や、ワークシェアなどもある。ともかく、新卒採用・年功序列・終身雇用(組合員だけ万歳)一辺倒の、このいびつな社会。まるで太平洋戦争に突入していく軍閥みたいじゃないかとさえ思うが、なんとか、労働の多様化を実現するような社会改革をしなければいけないと思う。
一方で、最初に述べた景気対策のポイントも、同じところで解決すると思う。国内労働市場の自由化・活性化・流動化だ。活発な市場ができた方が財は効率的に分配されるし、また良い仕事をして良い給与という面で労働者個人のモチベーションが上がるし、個人能力向上への動機付けもできるので、いくつもの面での相乗効果が発生するはずだ。非効率な会社は人材流出で倒産に追い込まれると思うが、社会全体としては必要なことで、結果生産性は上がり、GDPは上がり、景気は回復して、非正規雇用者は激減するというシナリオはあると思う。
ちなみに、年功序列や退職金で、優秀な人材を「一所懸命」へと囲い込む日本企業の仕組みは、大企業に有利で、小企業や起業家には不利な仕組みだ。もちろんセーフティーネットは必要だが、ホンダ、松下、ソニーなどのジャパニーズドリームの再来を夢見れる社会にするには、絶対に人材の流動化が必要だと思う。
あと1つ、中高年ワーキングプアとの関連で、絶対に実施した方が良い改革が1つある。奨学金の強化だ。家は貧乏だけど、成績優秀な若者が、お金に苦労することなく教育を受けられる仕組みがないと「格差固定化」がおこる。その対策として、世の中の塾や予備校を含む全ての教育機関について、世帯扶養者の年収が一定以下で、定期試験の成績が上位20%以内だったら、教育費を全学免除する仕組みを法制化すればいいと思う。50%は教育機関の持ち出し、25%は私学助成を減額した分で国や地方自治体が補助、残りの25%はネーミングライツにして個人や企業がスポンサーになれば良いと思う。これが実現すれば、貧乏な家庭の若者の方が、勉強するモチベーションが上がるので、格差は縮む方向のバイアスがかかるだろう。
どうしても勉強が苦手で、親の財力にも期待できない若者は、逆に早くに社会に出て、そこからでも勝ち上がれるようなキャリアパスも必要だと思うが、職人とか料理人とか、もしくはプログラマとか、若い頃からの修業がモノをいうような世界もあると思うので、上手くマッチングするような仕組みが必要だと思う。
準ワーキングプアの増加への対策(根性論)
私は起業についても考えているし、現職での自分のいる部署の損益についても考えているが、優秀な人がいれば、喜んで正規採用の努力は惜しまない。(起業した場合には、資金との相談になるが、採用の努力は惜しまない)
マネージャや経営者的な立場で考えると、優秀な人は何にも代えがたく、喉から手が出るほど欲しい。だから、新卒で正社員になれなかったからといって、特にIT業界に勤めているんだったら、「人材開発投資で何も解決しない」なんていう考え方が、すごく寂しい。梅田望夫氏ほど楽天的になれとは言わないが、この業界は能力が高ければ、特定の会社にこだわらなければ正規雇用の道なんていくらでもある。
IT業界限定になるが、私がお勧めしたい作戦は、逆に派遣社員という立場の活用したキャリア形成だ。単純なパターンは、紹介予定派遣。ある程度スキルを高めたあとは、紹介予定派遣を希望し、自分が望むランクの企業へ紹介予定派遣され、採用される。これだけ。
もうちょっと複雑なパターンは、何度かチャレンジを繰り返しかなり高いレベルの企業へ派遣として潜り込む。そこでその企業の仕事の進め方を身につけ、人の倍の努力して頭角を現す。そこでラッキーならば正社員として登用されることもあると思う。そうならなければ、選択肢は2つ。1つ目は3年程度辛抱すること。そうすると派遣社員といえども明確なキャリアになる。「大企業(派遣先)で派遣とはいえ3年やって、こんなプロジェクトにこんな役目で参加していたのならば」で、十分正社員採用対象となる会社もあるし、ここから紹介予定派遣をやってもいい。2つ目は独立だ。これも3年よりもっと長く辛抱しなければいけないかもしれないが、その大企業(派遣先)の中でノウハウを磨き、人脈を築いて、自分ひとりの請負業務からのスタートで起業すればいい。
一般に、高いレベルのIT企業は、高収益大企業の顧客を持っていて、高い金額でシステムを受注できる。下請け、また孫受けと出されることも多い仕事の、下請け仕事としては特上のポジションを取れることになるのだ。ここらへんも、会社によって、個人レベルのところへ仕事を出すかどうかという点でも差があるし、どれだけ外注権限がある人材への人脈が確立できるかというところが肝なので、実際にやるとすると考えなければいけない点は多いが、仕事能力さえ一流であれば、そんなにハードルは高くないと思う。そして一緒に高いレベルの仕事をする仲間を増やしていければ、立派な社長さんだ。
他にも、IT業界に限らず、営業職というのも実力主義なので、性格的に向き不向きはあると思うが、適正と意欲とバイタリティと運があれば正社員採用のハードルは、そんなに高くないと思う。
あと、根本的な事象として、前出の2007年問題で騒がれている通り、若年層の正規雇用を奪っていた悪の元凶、中高年の高給ワーカーの問題は年々解消していく。新卒マーケットは、新卒大好きな日本企業が殺到して、一部の人気企業を除いて希望採用数が取れない時代が、そこまで来ている。
労働者は足りなくなるのだ。日本企業が好む転職限界年齢の35歳までになんとかキャリアを積み、相当な努力は必要だが以下の階層を1つづでも上がっていけば、能力次第という面はあるが、十分中堅規模の会社の正社員は目指せると思う。
そして、一番問題なのは、希望と意欲を失うことであって、その結果として、能力面でも正社員に明らかに負ける状態になってしまうことだと思う。
多少、基礎能力で劣っていても、向上心を持って技術職、ホワイトカラー分野やクリエイティブな分野の仕事で人の1.5倍働いていれば、経験値が貯まって、一人前以上の能力を身に着けることができると思う。
このバリエーションの1つとして、人気ブログの分裂勘違い君劇場で、私が一番好きなエントリーも紹介しておく。
無学歴、無職歴、無実力のニートが年収500万円の正社員になる方法 - 分裂勘違い君劇場 by ふろむだ
ここが、いちばん重要なポイントなんだけど、職位が低い間は、「会社からもらっている最大の報酬はスキル」であって、その資産価値に比べれば、「もらっている給料なんて、倍になろうと半分になろうと、誤差」なんですよ。
この問題、もしかすると下位層にいると、世の中全体のいくつかの仕組みが見えない部分があるかもしれない。(逆に上位層にいると、下位層の苦しみや困難さが見えない部分があると思う。おかしい箇所は、ぜひご指摘頂けるとうれしい)
マッチョが戦えと言うのには、たとえウィンプであっても、不運な結果でウィンプになっているだけで普通の潜在能力があれば、勝利できる道筋がいくつか見えているからに思える。
何も正社員にだけこだわる必要はないと思うが、不運を乗り越えて「結婚して家庭を作り、子供を育てる希望も持てる」人が、ちょっとでも増えることを切に願う。
次回はエントリー(多分、日が開く)では、ちょっと叩かれるかもしれないが、本件を逆から見たことを書いてみようと思う。
P.S.
不快に思われた中高年の方もいらっしゃるかもしれないが、あまりにもロスジェネ世代に極端に厳しい社会なので、多少極端に中高年に厳しい意見があっていいだろうと思って書いています。ただ、反論は歓迎です。
ワーキングプア関連のブログエントリー/トラックバック先
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/16af29654ee641ba6ae3f15bdc23338c:Title
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50577428.html:Title
http://d.hatena.ne.jp/essa/20070826/p1:Title
mkusunok氏とsteam_heart氏を中心としたワーキングプア議論のまとめ
この議論の経緯はとても有意義で多少、立場の誤認みたいな部分の指摘の応酬があるものの、とても興味深く読めた。
正直、私は「ベーシック・インカム」を良く理解していないかもしれないのだが、これは1つの理想だが実現できるような財政余裕は少なくとも日本国にはなくて、最後のsteam_heart氏の意見(引用部)を、私は悲しく思えてしまう。一番最初の「国に泣きつく若者達」になってしまっているように思えるのだ。
ただ、steam_heart氏のいう「運が悪かった」。これは決定的に事実。ものすごく共感できる。そして非正規雇用と正社員との差を主張し、超えられないギャップの存在を主張するのも良く分かる。私も、その壁は強く感じるし、その壁を越えるものは、ある程度のツワモノ(マッチョ?)じゃないと無理だと思う。
ただ、壁を越えた者は、壁の中でぬくぬく暮らしていた者より、強いとも思うのだが。
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http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080426:Title
なのに昨日の朝生での議論は・・・若い人がこぞって「税金あげてもいいから国に守ってほしい」といい、おじさんが口からつばを飛ばしながら「規制を入れすぎると社会の活力が失われ、競争に勝てない」と主張してるわけ。反対じゃね?
って感じました。すごい違和感。
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080427/nmin:Title
たぶんロスジェネとして活路を見出すとしたら「他世代と比べて自分たちは運が悪かったのではなく、先のない夢から醒めなきゃならないんだ」というところまで自己規定し直す必要があるんじゃなかろうか。「俺たちの世代以外は、みんなうまくやりやがって」的な時代感覚が、実際には年配者を利する再配分指向に繋がっている気がする。たぶんその先の言辞はあまり説得力を持たない。切実ではあるんだけど、運の悪い人々だって風に回収されちゃうよね。
http://d.hatena.ne.jp/steam_heart/20080428/1209380933:Title
大体のところ、給料ってのは「ポジション」に対応しているとしか思えない。はっきりいうぜ。必然性なんてほとんどありゃしねえ。運だよ。地方で生まれたか都会で生まれたか、教育に関心のある親の元に生まれたかそうでないか、大学までに学歴社会に気づけたかそうでないか、就職活動でうまく拾われたかそうでないか、それに「運」以上の何かを持てるほど、新卒の能力って高いっけ?
(略)
「年配者を利する再配分指向」とか、どうでもいいんだよ。
年間200万円いかない労働者が大量発生していて、その人たちをどう救うかが問題で。
「救うな」って思っているなら、はっきりそう言え。踏みつけているのはオレの、そしてお前の足だ。
http://d.hatena.ne.jp/steam_heart/20080429/1209452960:Title
1. 雇用が無い・雇用が非正規なのが問題なので、人材開発では「何も解決しない」
2. 人材開発で何か出来るとしても、猶予はない。(中略)
新しい種類の仕事が創出されているわけじゃない。IT化して、効率が上がりましたって話は、大体、人件費の抑制でしかない。
そうやって、労働層に払う金額が減っているのに、何かしら一人一人がスキルアップしたとして何か払われる金額が変わりでもするかな?
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080501/self:Title
世の中が平等だったことなんて未だかつてないんだよ。そこそこの大学を出たら、そこそこの会社に正社員で入れて、そこそこの給料を貰えるなんて、誰も約束しちゃいないんだからさ、そんなことを勝手に期待するのは社会に対する甘えだよ。そういう甘えを育んだのは学校なんだろうけど。言い値で買い叩かれるのが気に入らなければ、自分で自分に値付けして、自分を売り込むしかない。くやしかったら自分から売り方を変えなきゃならない。受身で買いたたかれるのは本人の責任だ。
http://d.hatena.ne.jp/steam_heart/20080501/1209663497:Title
言い換えれば、新卒の、正社員と派遣社員、給料ぜんぜん違うけど能力は変わらないよです。新卒の、正社員と派遣社員の差は、残念ながら「学歴」「親の教育熱心さ」「運」でしかないということです。
誰も、「学歴」とかで会社入れろといっているわけではありません。
ロストジェネレーションの時の就職戦線は、「学歴社会の再現」でした。
(中略)
自分は、「最低つぶれないように何とか土台作って支えようよ」と言います。
この点について、私は見事な追い討ちだと言っているのです。
自己責任を持ち出すなら、はなからワーキングプアなんて社会問題じゃないって話なんですかね?そうならこの話はさっさと終わらした方がいい気がしますが。
http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20080504/wp:Title
僕はそういう学歴主義を認めたくないので、本来ROIの高かろう人々が付加価値を高める機会を与えられず、重労働のまま社会で死蔵されているという問題に対して、そういった問題の背景にある新卒一括採用、解雇四要件を解体しつつ、彼らがロスジェネであるというコンテクストを捨象した上でROIの高い人々をエンパワーメントして社会全体の労働生産性を高めるために必要な政策を打ち、実質的な敗者復活の機会を提供できればいいなとは思います。できれば戦争といった物騒な方法ではなく。
http://d.hatena.ne.jp/steam_heart/20080505/1210009662:Title
あなたの、投資効率の高い人に対してエンパワーメントし職を与えるという思想には、内容を検討した結果否定的な見解を示しています。
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