日本の問題点を全てズリっと解決する政策提案

最近の政治の話題を見ていると、少子化とか、非正規雇用増大とか、老人医療の問題とか、年金の問題とか、はたまた国立大学の学費を上げるとか、まあ日本の将来はお先真っ暗のように思えてくる。

どうして日本がこうなってしまったかというと、それは結構単純だと思っているが、それはまた別エントリーで書くとして、今回は、これらを全てズリっと解決する政策を思いついてしまったので、発表しようと思う。

フロンティアを作るのだ

日本の経済成長率が落ち込んで、私の感覚だと「失われた17年」という長期不況が続いているような印象がある。この間に日本で新しく発展した産業というと、携帯電話、インターネットやPCを中心としたIT産業、あとゲーム産業ぐらいだろうか。

ITバブルが弾けて、携帯電話の普及率が頭打ちになってからは、産業としてのフロンティアと言えるような分野もなく、海外需要を含めて考えれば自動車や、薄型TVの電器関連は伸びているが、多くの人材を吸収して大きく成長できるような産業セクターがなくなっている。

一方でエリア的に見ると、東京一極集中が進んでいる。ただバブル期の狂乱地価の反動もあって地価は長く低下傾向にあったし、そもそも開発できる土地も限られることから、東京も開発のフロンティアというほどには成長していないと思う。

今、日本に一番必要なのはシンボルを兼ねたフロンティアではないだろうか。というわけで、それを作る国家プロジェクトを考えてみた。

淡路島フロンティア観光・教育・高齢者・介護末期医療・IT特区

場所はどこでもいいのだが、ロケーションの第一候補は淡路島だ。(GoogleMap淡路島)

これは島ということで不法滞在者の拡散が防げるということや、「明石海峡大橋」、「鳴門のうず潮」、「瀬戸内の新鮮な魚介類」、「海の見える丘」という観光資源が豊富な点、また関空という発着枠に余裕がある国際空港が近隣にあるという点や、安価な土地が豊富にあるという点から選定した。

ここを、ウルトラ特区として、観光・教育・高齢者・介護末期医療・ITのフロンティアとして外資や、一部外国人労働者も受け入れる。

まず、在住者には申し訳ないが、淡路島の全ての土地建物は、一旦政府が時価で買い上げて、住民は移転するか、賃借して住み続けるか、特別に許可を得て買い戻すかの3択の決定をする。莫大な支出が必要になるが、ここは建設国債で賄う。以下の政策を進めれば、投資回収率は間違いなくプラスになるので、この国債は余裕で償却できるはずだ。

観光特区としては

  1. カジノホテルを許可して誘致、建設*1
  2. マリンスポーツやフィッシングを楽しめるシーサイド高級リゾート施設を拡充
  3. 住めるテーマパークとして、西欧各国の観光都市をモチーフにしたタウンを都市部周辺に複数近接して作る
  4. 東映太秦映画村を移転拡大。先斗町お茶屋さんにも支店を出して貰って本物の舞子はん、芸者さんにも来て貰う。(一見さんでもお断りしない)
  5. 人気を競う、各国一流レストラン&日本料理店
  6. 米国系テーマパークに対抗して、宮崎駿ワールド建設

海外からの旅行者は何もかも免税。日本国民の旅行者に対しても海外輸入品と、特区が提供するサービスや、特区内で生産された製品は免税に。観光施設は固定資産税免除、法人税半額(カジノ税は別途)。

アジア諸国で増えてきた成金、サマーバカンスをするロシア人・西欧人、あと米国人やアラブ人を呼び込む。もちろん、外資導入をバンバン受け入れる。

教育特区としては

日本は大学が多すぎる。定員割れで苦戦している不人気の大学、特に大勢の中国留学生とかで学生数をようやく確保しているような大学は廃止するか、教員を削減して定員も削減して、人気ブランド大学の系列校にしてしまおう。教員数基準を廃止して、授業はTV会議システムとかを使った遠隔中継授業を中心にして、私学助成を節約するといい。

そして、余った教育費と教員とで1学年2万人規模の超マンモス校「淡路島世界大学」を作る。授業料はタダだが、学生は週2日昼間、週1夜勤の介護福祉労働をする義務を負う。介護と学業の両立は困難だけど、根性で頑張れば4年で卒業できる。ただ、標準的には6年かけて学部卒業するカリキュラム編成になっている。

留年するのは自由だが、それは介護福祉労働を続けていればの話。ゆっくり頑張って貰っても社会貢献でバランスは取れる。

学生は世界中から集められるが、日本人も含めて公平な競争が行われ、能力別クラス編成が行われる。成績が一定以上のクラスは全て英語で授業を進め、最優秀クラスは介護福祉労働が週1日にまでに免除される。

最優秀クラスを卒業した人材には、世界中から引く手あまたの求人がやってくる。

高齢者特区としては

他の特区施策も活用して、活気と魅力ある街づくりをする一方で、高齢者が住みやすい集合住宅(プライバシー重視タイプ・下町コミュニティー重視タイプなどなど)や、お金持ちの高齢者が住む高級住宅を整備する。

特徴は、高齢者がランクと年齢に応じた終身賃貸料金を払い、また年金権利を放棄して入居すれば、健康である間は一生住める仕組みとなっている。終身賃貸料金には生涯医療保険も付帯していて、要介護となった時点で、以下の介護施設へと移る契約となっている。

なお、連れ合いに先立たれた場合に限り、契約を解除して返金を受け、特区から退去することもできる。(一人だと寂しくて、子供を頼る場合の措置)

また、電子地域通貨を流通させる。特徴は相続税100%。つまり亡くなられた時点で、他の高齢者の福祉原資として使われる通貨だ。地域通貨を稼ぐ手段は、やはり介護ボランティアであったり、各企業が高齢者向けにコーディネートした各種職業やボランティア、「淡路島世界大学」での教育参加などがある。地域通貨は、より高級な介護サービスを受けるために使用できるし、需要がある範囲で域内の商品流通にも利用できる。

なお、他国の高齢者であっても、お金さえ持っていれば、熱烈歓迎だ。

介護末期医療特区としては

先の介護ボランティアに加え、外国人看護師や外国人医師を6年程度の中期就労ビザで受け入れる。日本の高い給与水準で働けるだけではなく、「淡路島世界大学」で最新医療についての就学もできるという特典つきだ。

また集積度が高い介護施設や、末期医療病院を必要数、どんどん作る。払い込み資金や、稼いだ地域通貨の金額に応じて受けられる介護レベルや病室レベルは異なるが、ミニマムのサービスであっても、幸せな最後を送ることができるようにする。

IT特区としては

IT系企業に限定して、設立5年法人税なし。設立10年法人税1/4。設立20年法人税1/2。スキルさえあれば就労ビザを発給。個人課税についても「イノベーション特別減税」か「ワールドビジネス減税」の要件を満たした年度は、達成率に応じて、それぞれ個人所得税も最大半額になる。両方を完全に満たすと、なんと所得税免除だ。*2

世界中のイノベーターが目指す黄金の島。起業するなら淡路島。

何がおこるかのまとめ

  1. 日本に、観光とITのフロンティアを作り、外国資本も呼び込み新しい産業を創出する。
  2. フロンティア地区の土地値上益を活用して、開発をどんどん進める
  3. フロンティア地区で特需が発生し、日本経済全体が成長する
  4. 日本の低賃金労働者を、そのフロンティア地区に向かわせ、賃金水準を回復させる。
  5. フロンティア地区外も、低賃金労働者の供給が逼迫して、賃金水準が回復する。
  6. 日本に、実力主義の世界的競争が発生する授業料無償の大学を新設しつつ、介護労働力を創出する。
  7. フロンティア好きの高齢者を集めて、フロンティアの活力でまとめて面倒を見る。
  8. フロンティア好きの高齢者にも楽しく働き続けて頂き、その労働力を原資により楽しい余生を送って頂く。

1〜5で経済問題、4〜6で少子化の問題は解決し、7、8で高齢者医療の問題も解決する。すなわち、「日本の未来は、、、、世界もうらやむYeah!Yeah!Yeah!Yeah!」ってことになる。

どうだろう。ダメかな?


P.S.
なんとなく分裂勘違い君の某エントリーに似ているのは、きっと気のせいです。というのは嘘で、以前にカウンターエントリー「http://d.hatena.ne.jp/T-norf/20080320/JSiliconValley:Title」を書いた際のアイディアを、もうちょっと詳しくまとめた次第です。

*1:和装の料亭風カジノとか作るときっと流行るよ。チンチロリンのテーブルとか作ろう

*2:きっとすごく安くなると思うけど、住民税だけはかかることにしておこう