激動の2009年を振り返って

今年は激動の年で、民主党政権が誕生し、いろいろな新政策が実施されたり予算化された。新型インフルエンザも大流行した。そして何よりも、ビジネス環境としては、昨年からの世界的大不況の影響をもろに受け、景気が低迷した1年だった。
特にデフレスパイラスが再度深刻化しつつあり、いろいろな補助金的な景気対策政策が終わったあとも持続的に国内需要が回復する見込みは薄いと感じる1年でもあった。鳩山政権は12月30日になって、「新成長戦略」を発表したけれども、「環境」「健康」「観光」の3分野で計100兆円超の新需要なんて、ハードルが高いにもほどがあるだろう。100兆円を誰が新規で毎年支払うようになるのか。国家財政も、家計も企業(含む健保組合)も苦しいし、もっと裾野の広い成長ならいざしらず、そんな極端に偏った成長戦略はありえないのは自明で、まあ政治主導とやらでの景気低迷が長期化しそうな印象しか受けない。

鳩山総理は「供給サイドに偏っていた発想を改め、需要をしっかり創出していく」と言っているが、財政赤字に頼らない限りは外需中心になり、結局のところは国際競争や為替相場次第という話になってくる可能性が高いだろう。この重点3分野はさておいても、今後の日本経済については再度輸出主導でどこまで景気が回復するかという感じで、2010年以降も厳しいビジネス環境がつづくと思う。


個人的には、今年はもっと激動の年で、おおきな転機を迎えた年だった。勤務地は変わらないものの異動があり、仕事の進め方が大きく変わった。いわゆるプレイングマネージャーから、純然たるマネージャ職に変わり、顧客担当としての仕事がなくなった。

ボスや上席が身近に一人もいない状態で、それなりの人数を率いるというのはバブル期だったら楽しかっただろうけど、こういう厳しいビジネス環境もあり、打てる手を全て打っても数字的には厳しくて、まあ端的に言ってタフであることが要求されるポジションだと思う。

仕事だけではなく、昨年生まれた子供の子育ても大変になってきて、嫁の手助け程度しかできないのだけど、個人として自由に使える時間がますます減ってきた。

こんなんで本当に起業なんかできるのかという自問もあるが、むしろマネージャ職に変わって現場要員としての経験値が貯まらなくなったり、任されている組織が、独立起業した場合のスタート時に想定できる規模を超えていて、「起業に必要なスキルを身につける」という環境から外れつつあり、アクションをするのであれば、ある程度早めに勝負をかける必要があるということも感じている。


予定外の異動で今年の抱負の達成度は低かったが、具体的なアクションとして、起業志望ということを話しつつ、2名の経営者に会って話をすることができた。1名は、はてな社長のid:jkondo氏。もう1人は上場企業の代表で「ミスター○○」と言って差し支えない方で、伏字部分は私の正体がばれる可能性が高いのでナイショだけど、将来の起業プランの1つにとって、この方の支援が貰えれば大きな追い風になる可能性を秘めている方だ。

起業への思いという意味では十分にモチベートされ、少ない持ち時間のなかでは、良い動きができたと思う。


今年残念だったのは、異動の混乱と、別の大きめのプロジェクト2つの立上げに手を取られて、今の職場での新事業の立上げの動きができなかったこと。ただ、新たな出会いもあり、一度眠らせていた新事業プランをリスタートできる可能性も出ていたり、また社内での発言力も上がっているわけで、チャンスは広がっていると思う。


あまり自分語りをしない、このブログだけど、旧友宛ての年賀状でもブログ名を知らせたこともあり、また今年を整理したいという欲求もあり、書いてみた。来年の更新回数は、もうちょっと増えるといいけど、中身が濃いめのエントリーを、たまに書くというスタイルになりそうだ。

新年の抱負は、またじっくり考えたいけど、方向性だけは決まったような気がする。挨拶だけではなく、本当の意味で来年は「良い年」にしたい。

どうか、皆様も良いお年を。