起業にチャレンジする意義/イージュー★ライダー
どうして、大きなリスクがあるのに、起業したいという思いがあるのだろうか。私自身、ちょっと悩んでいる時期があった。
例えば、島田紳助の場合、それは「自分の賢さ証明するため」とのことだ。これは私も10%ぐらいはあるかもしれない。もう少し前向きな表現をすれば「究極の成果主義の職場で自分を試す」ということになるだろう。
単純にお金を儲けたいという面もある。ただ、リア充と揶揄されるかもしれないが、職場にも恵まれていて、そんなにお金に困っているというわけではない。むしろ、金銭面だけ見れば、起業することの方がリスクが大きく、今の私の実力では期待値ですら起業しない方が高いように思える。*1
今の職場は激務なので、ライフワークバランスという意味では起業した方が希望があるかもしれない。ただ、それも実は起業した場合の方がワーカホリックになるリスクが高いという面もあるだろう。
他にも社会に貢献するとか、大きな仕事をしたいとか、ステータスが欲しいという人もいるかもしれない。ただ、ここらへんのことは、個人的には起業への動機付けとしては、明らかに弱い。
ところで、はてな社長の近藤淳也氏(id:jkondo)が、本日のブログの末尾にこう書いている。
自分が一番やりがいのあると思えることを自分の仕事にできるのはとても幸せな事だ。起業家が受けられる一番の恩恵はそこにあると思う。恐らく彼はその計画を周りの人に話しては、「大丈夫なの?」「それじゃ儲からない」等々、色々と批判的な言葉を受け続けていると思う。個人的に世の中にもう少し起業家が増えればと思っているし、そういう言葉を乗り越えて、また新しい起業家が生まれると良いなあと思った。
この「自分が一番やりがいのあると思えることを自分の仕事にできる」は、私が最近気付いた考え方に、とても近い。近藤社長自身は、成功してその幸せを体現しているわけで、これは本当に羨ましい。
こういったことは、自己実現という言い方をされることもあるが、これも最近まで、起業への動機付けとしての実感はなかった。ただ、珍しくテレビで歌番組を見ていて、目から鱗が落ちた瞬間があった。
僕らの自由を 僕らの青春を
大げさに言うのならば きっとそういう事なんだろう
42歳の奥田民生がギターを弾きながら歌っている。実に楽しそうに歌っている。
僕らは自由を 僕らは青春を
気持ちのよい汗を けして枯れない涙を幅広い心を くだらないアイデアを
軽く笑えるユーモアを うまくやり抜く賢さを眠らない体を すべて欲しがる欲望を
大げさに言うのならば きっとそういう事なんだろう誇らしげに言うならば きっとそういう感じだろう
おやじ年代好みのJ-POPに共感する人は少ないかもしれないが、私の心には見事に刺さった。起業っていうのは、大げさに言うのならば、きっとそういう事なんだ。
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*1:期待値は確率的な話。運不運があるとして、10年間スパンの起業に10回チャレンジして1回だけ成功して5億儲かるが、残り9回は失敗して社長給与を通算しても平均2000万のロスとして、期待値は(5億×1−2000万×9)/10で3200万円。10回マジメに10年働いていたら、ほぼ毎回●千万円儲かる。後者の方が断然大きいという話