任意のウェブ事業の勢いをチェックする方法「Google Trends for Website」と「Alexa」
起業家になると、きっと同業他社のスタッフと交流する機会も増えるだろう。そうすると他社の動向は気になるし、特に伸びている会社を知って、良いところを真似したいという思いも強くなると思う。さらに、単なる興味ではなく、設立した事業のステージによっては、優良なライバル企業をベンチマークとして設定し、そこに追いつき追い越すことを目標にして業績アップに取り組むといったケースもあるだろう。
私はウェブ系起業に興味があるので、起業した際に本格的にベンチマーク企業を設定して徹底マークするのであれば、おそらく下記のようなインターネット視聴率調査会社のサービスを利用することになるのではないかと思う。
でも、こういうサービスは、事業を開始する直前段階以降であれば、お金を惜しまずに使うべきだが、興味本位ではなかなかお金を払ってまで使うことができない。そこで、大雑把なサービスながら任意のウェブサイト(ドメイン)のトラフィック量変化を無料で確認できるサービスが有効になってくる。
この第三者のサイトのトラフィックを確認できるようなサービスは、私が知っている範囲では2つあって、1つはごく最近登場した「Google Trends for Website」だ。これはGoogle LABSが提供する実験サービスで、現状ではドメイン名単位に限られるが、4つドメインを選択して、グラフ上で比較して見ることができる。(サブドメインは無理で、区切り文字はカンマ)
●biglobe.ne.jp ●hatena.ne.jp ●ameblo.jp ●excite.co.jp
上記は、中堅プロバイダーの「biglobe.ne.jp」、お世話になってる「はてな(hatena.ne.jp)」、サイバーエージェントの「ameblo.jp」、中堅ポータルの「excite.co.jp」の4つを入力してみたグラフだ。中堅プロバイダ・中堅ポータルのトラフィックが凋落していて、Amebaが伸びているのがよく分かる。そして「はてな」は横ばいで現状維持のようだ。
このアクセス数集計は、Google Analytics他かから推計された値で、必ずしも正確な値ではないと思う。また、データ採取方法については、下記英文が参考になると思う*1
Trends for Websites combines information from a variety of sources, such as aggregated Google search data, aggregated opt-in anonymous Google Analytics data, opt-in consumer panel data, and other third-party market research. The data is aggregated over millions of users, powered by computer algorithms, and doesn't contain personally identifiable information. Additionally, Google Trends for Websites only shows results for sites that receive a significant amount of traffic, and enforces minimum thresholds for inclusion in the tool.
http://www.google.com/intl/en/trends/websites/help/index.html:Title
またもう一方のトラフィック確認サービスは、Alexaというサービス。こちらの方が、ちょっと老舗のサイトになる。比較のために、Alexaでも同様のグラフを書かせてみた。
まあ、大雑把な傾向は似ているが、若干違うところもあり、それほど精度が高くないというところは忘れてはいけないポイントだと思う。こちらのAlexaは、ブラウザにAlexa Pluginをインストールしたユーザから収集したトラフィックデータを元に、アクセス数を集計しているので、Alexa Pluginをインストールしたユーザと縁が深い(技術系・Webマーケティング系の)サイトは、アクセス数が多く出る傾向にあるのではないかと思う。
もしも、ウェブサービスを運営している起業家と会えるような機会があれば、どれぐらいのトラフィックを集めているか、またトラフィックが増えているトレンド等を事前チェックしておけるとと話題もはずんで、良いと思う。また、ウェブ関連業界では結構常識かもしれないが、これは一般業界の社長さんと面談する機会であっても、その会社のウェブページに良い傾向が出ているのを見つけた場合などは、プリントアウトして持っていれば話題に困った時に使えるかもしれない。
というわけで起業家を目指す人には、いろいろな意味でお勧めのサービスだ。ただ、トラフィックが落ちている社長さんと面談するような場合には明らかに逆効果なケースが多いと思うので、この手の話題には触れないようにするなど、上手く使い分ける必要があるかもしれない。
P.S.
近江商人JINBLOGでも有名な、株式会社マイネット・ジャパンの上原仁社長(id:huehara88) より「この方お会いしてみたい」と前回エントリーにブクマコメントを頂きました。正直、嘘でも嬉しいぐらい、とても嬉しいブクマでした。本当にお会いできるかどうかは未知数なものの、機会があればぜひと考えて、いろいろと見させて頂いた結果、今回のエントリーが誕生した次第です。設立2周年、おめでとうございます!
関連エントリ:http://ceonews.jp/archives/2008/07/2_2.html:Title
Google Trends for Website関連のブログエントリー/トラックバック先
- http://blog.kokokukaigi.com/archives/2008/06/google_trends_for_websites.html:Title
- http://blog.fkoji.com/2008/06211037.html:Title
- http://jp.techcrunch.com/archives/20080620google-faces-off-with-compete-alexa-comscore-quantcast-brings-nothing-new/:Title
- http://www.nextglobaljungle.com/2008/06/google_trends_for_websites.html:Title
- http://www.sem-analytics.com/2008/06/google_trends_for_websites.html:Title
*1:「opt-in consumer panel data」ってなんだろう。Google Toolbarのこと?