天下三分の家計/日本経済の大きな弱点の解消法
タイトルは「おやじギャグ調」だけど、これは、これから結婚する起業家や、起業志望家にとっては、起業の成否を決めかねない死活問題についての、ライフハック的な解決策の話。
起業をしない人にとっても、これから結婚する人には使える話だし、これは日本経済の大きな弱点を解消する方法でもあると思う。
家庭内で資金調達できないヤツは、一生起業なんてできっこない
まず、よく聞く話として、サラリーマンをやっている夫が起業をしたいと考えても、家計を握る妻の反対があり起業の夢を断念する(もしくは定年が来るまで我慢する)という話がある。こういうシナリオに突入しない方法として、一番単純なのは結婚しない、結婚する前に起業するという方法だろう。
ただ、人生いろいろ、何も起業するだけが幸せではない。私は「好きな人と結婚して、子供を作り育てる」っていうのは、衣食住に次ぐ人として原始的な幸せだと考えている*1。一方で、若くして起業して成功するほどの実力もないので、まあ幸いにも連れ合いを見つけた流れから、もし起業するとしたら、「結婚→起業」というルートに乗っかっていることになる。
そうした場合、起業するにあたって家庭内資金調達を確実にできるようにするには、どう対応するといいだろう。妻に既得権を与えないように、家計財産は稼ぎ手である夫が握るという対抗策があるが、いまどきの新妻にこれを認めさせるのは、新妻がそうとう温和な人物であり、夫が信頼されていない限りは難しいと思う。*2
一方で、妻に家計を預けると、妻の反対で起業できないシナリオが待っているというのが、ここでのジレンマだ。
かかあ天下を避ける良い方法
そこで、妻が、夫が、どっちが家計を握るんだという覇権争いに対して、スッキリとした解決方法がある。夫私有財産・妻私有財産・家計と3つに分けてしまうのだ。
この場合、家計用の専用通帳*3を1つ作り、共働きならば双方の負担金額を、月額で夫12万、妻2万とか決めておく。
銀行口座に入れない現金分については、普段良く買い物に行く方(妻)の財布と同化させていい。ここで、何か家計用の買い物をした際にはレシートを保管して、ExcelとかGoogle spreadsheetに、どちらが支出したかを記録していけばいい。例えば、以下のような感じ。
夫 | 妻 | |
---|---|---|
イオン | 13,000 | |
関西スーパー | 3,000 | |
コーナン | 4,000 | |
出金 | ▲30,000 | |
家賃 | 90,000 | |
ガソリン | 10,000 | |
新聞代 | 3,000 | |
NTT | 2,500 | |
ISP | 3,000 | |
従兄弟結婚祝い | 50,000 | |
合計 | 108,500 | 40,000 |
毎月末に締めをして、夫は「負担額 120,000−108,500=11,500円を家計口座に振り込むか妻に渡す。妻は払いすぎの分を解消するために、現金を家計口座から引き出すか、家計口座から妻私有口座へ振り込む。
まあ、簡易家計簿にもなるし、レシートをなくすと清算し忘れるところが会社の経費清算と似てるけど、別に一品一品を記録するわけではなく、あくまでレシート総額を記録するだけなので、さほどの手間でもない。
これが、天下三分の家計ww。こうすることで、夫も妻も、それぞれが私有財産を持てるのだ。
デメリットとしては、結婚しても「旅行に連れてって」とか、「奢ってくれ」とか、「これぐらい払ってよ」とかたかられたり、「基礎化粧品は家計よ」とか、「今月は黒字だからエステ代も」とかへんな駆け引きがあるかもしれないけど*4、家計財産を全部握られているご主人さんから見れば可愛いもんじゃないかなと思う。
メリットは、もちろん起業資金を貯めて、いざというときには勝負に出られるということ。他にも、資産運用の自由度という意味でも、株とかのリスク資産で多くを運用できたり、短期の成績で一喜一憂せずに、長期勝負に出やすいというところがある。そして、給与という面でも、妻も夫も自分が多く稼げば、それだけ自分個人が自由にできるお金が増えるわけで、働く意欲という面でも効果は出ると思う。
そして、妻が私有財産を持っているということは、もし本当に起業して設立した会社の借入れの保証人となるような場合に効いてくる。妻も保証人に取られることもあるだろうけど、もしならずに済めば、万一起業に失敗して多額の借金をかかえて夫が自己破産しても、妻の私有財産は無事に残る。
だから、起業家には、この方式が特にオススメだと思うけど、いかがだろう。
日本経済の大きな弱点の解消
このエントリーを書こうと思った時点ではじめて気づいたのだけど、日本に特別多いような気がする「かかあ天下制」って、日本経済にとてつもない悪影響を及ぼしていないだろうか。これはいわば家庭内奴隷制度だ。そして、夫婦のうち経済に詳しくない「かかあ」が、家計の資産運用を牛耳っているので、大多数はローリスク資産にしか投資しないし、ちょっと株に手を出してもすぐ失敗して、やっぱり全部銀行定期なんてことも多いのではないだろうか。
あと、本来はもっとお金使いたい欲がある夫の消費を著しく制限している家庭もすごく多いように思う。もちろん、こどもを育てるために、つめに火をともすような倹約に励んでいるケースもあるだろうけど、同僚や仕事で出会う人々を見ていると、結構稼いでいるはずなのに、お小遣い制であまりお金を持ってなくて、交際費を使えるシチュエーションで異様に燃えるというような、悲しい人々も多いように思える。
資本主義の基本は「私有財産」だ。これを認めるから、みんな競争に勝つインセンティブが働いて、生産性を高め一生懸命働くのだ。でも、奴隷だったら、そんな気にならないよね。というわけで、結婚したら、天下三分の家計。これ、テストに出るから。
(出ねーよ!何のテストだよ!!)
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